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1件 · 1 / 1ページ小説 · 2026-09-09 三十歳、はじめてのラーメン屋
三十歳。営業を七年やって、辞めて、カウンター八席のラーメン屋を開いた。 開店初日、二十三人。二日目、五人。 二十三人目の客は、向かいの不動産屋の事務の女の人だった。スープを半分残して、一言。「しょっぱい」 彼女は、月曜と木曜に来る。毎回、一言だけ言う。褒めたことは、一度もない。 師匠は電話で言う。「客が来ないのは、味じゃない」 客が来ない理由を、ノートに書き出した。一つずつ潰す。潰しても、すぐには増えない。 半年で、四十八人。そして、彼女が週二回しか来なかった理由。
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