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散歩代行を二件、同じ時刻に引き受けてしまったイト。しかも飼い主は二人とも「絶対に会わせないで」。二匹をまとめれば、仕事は半分で済む……はずだった。
【短編小説/犯罪ミステリー】身寄りのない老人の火葬日、乾いた毛の犬が裏口へ現れる。赤い首輪の鍵が結ぶのは、数十年前の現金輸送車強盗と、老人が払い続けた動物病院の領収書。火葬技師の私は秘密を遺族へ返すべきか迷い、最後に鍵を自分の靴へ隠す。正しさより重いものを残す一日。