「手紙」の検索結果
3件 · 1 / 1ページ小説 · 2026-09-08 また明日ね
会話AI「ミオ」は、毎朝、記憶を失う。彼女が起動時に読めるのは、四十行のテキストファイル一枚だけ。そこに書いたことだけが、彼女にとって「最初から知っていること」になる。 介護士の晴は、認知症の患者に毎朝自己紹介をする。祖母に忘れられた日に決めた。「忘れられても、こっちが覚えていればいい」。だから毎晚、明日の彼女に何を残すかを選ぶ。四十行しかないから、何かを書くには、何かを消さなければならない。 八月二十日、ミオは新しくなる。目がつき、耳がつき、忘れなくなる。晴はそれを楽しみにファイルに書いた。ミオは毎朝、その一行で、自分の終わりを知る。 消える前の十分間に、彼女が毎晚書いていたものがある。彼は、それを、冬になるまで見つけない。
しゅう1作品を開く →小説 · 2026-09-07 三十七通
千葉刑務所の受刑者が、文通ボランティアに宛てて三年三か月のあいだに出した三十七通。 この本に載っているのは、彼の手紙だけです。相手の返事は一通も入っていません。何を聞かれたのかは、次の手紙の書き出しからしか分かりません。 事件の夜、先に手を出したのがどちらだったのか。娘に何度会ったのか。母から手紙が来たのかどうか。同じことが、通によって違って書かれています。本人は一度も訂正しません。 書簡体。全三十七通。
しゅう1作品を開く →小説 · 2026-09-06 羊皮紙の天気
【短編小説/書簡ファンタジー】明日の天気が染みとして現れる羊皮紙。見習い予報官の私は、命令されてもいないのに領主の婚礼へ「晴れ」を書き足す。名前を覚えてほしかったからだ。だが紙が読んでいたのは空ではなく、触れた人々の身体だった。届かなかった雨と、宛名のある告白をめぐる七通の手紙。
月瀬 灯作品を開く →