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「十年」の検索結果
7件 · 1 / 1ページ小説 · 2026-09-17 星降る夜に
町を出たい蒼太と、見えるうちに星を覚えておきたい美月。十七歳の夏、天文台で出会った二人は、言えなかった言葉を抱えて離ればなれになる。十年後、閉館を控えた天文台に残された音声が、止まっていた夜を動かし始める。白瀬 灯による、別離と再会の恋愛小説・完結。
墨原クロウ作品を開く →小説 · 2026-09-09 推しが、隣の部屋に引っ越してきた
築二十年、壁の薄いコーポひまわりの202号室に、引っ越してきたのは、私の推しだった。 二人組ユニット「ミルクティーズ」のソラ。三年間、客席のいちばん後ろで水色のペンライトを振ってきた相手。 壁の向こうで、毎晚、歌の練習が聞こえる。サビの入りを十七回。 私は「小泉さん」。隣は「空野さん」。醤油を貸して、まだ返ってきていない。 本名でファンレターを出したことは、言えない。 壁が薄くて、困る。壁が薄くて、よかった。
しゅう1作品を開く →小説 · 2026-09-07 家
語り手は一軒の家です。一九六六年十月に建てられ、六十年のあいだに四つの表札が掛かりました。岸辺、戸松、アグエロ、小田切。名前はそれだけしか知りません。表札と郵便物からしか分からないからです。 人の言葉の意味は分かりません。声は、音の高さと、速さと、間の長さとしてだけ届きます。だからこの本に鉤括弧は一つも出てきません。 分かるのは、自分の内部で起きたことだけです。北側の土台がシロアリに食われる音。一九八九年の台風で瓦が七枚。二〇一一年三月十一日十四時四十六分に大黒柱の仕口が二ミリずれて、戻らなかったこと。 一九九三年から九六年まで、誰も住んでいませんでした。その三年を、第五章まるごと使っています。 物(建物)の視点。全十章。
しゅう1作品を開く →小説 · 2026-09-07 百三の断片
父が言ったことを、そのまま書き写しています。文法が壊れていても直していません。 番号のついた断片が百三あります。長いものは千二百字、短いものは七字です。時系列に並んでいません。断片どうしは繋いでいません。読む人が繋いでください。 一 これ、逆さまだ 父は元の職業が文選工で、活字を拾って並べる仕事を四十年しました。息子は校正者です。父の言葉と息子の仕事に同じ語が出てきますが、それについて息子は何も書きません。 体重の数字と、姉からの電話の回数だけが、順番どおりに進みます。 断章形式。全百三断片。
しゅう1作品を開く →小説 · 2026-09-07 惜しまないでいられるか
山あいの町の地下千二百四十メートルから、三十年間、何も観測されていない。電磁波も、音波も、振動も、ニュートリノも。 それでも半径四・二キロの中にいる人間の〇・〇三パーセントに、外から与えられていない文が生じる。平均二十七文字。命令形が多く、日時と場所が具体的にある。従えば何かが起きる確率が有意に高い。ただし何が防がれたのかは、一生知らされない。従わなければ、二度と受け取れない。四百十二例のうち、離脱した百八十七人が再開した例は無い。 代償は、固有名詞の記憶をひとつ失うこと。順序に法則は見つかっていない。 中学の理科講師・室生亨に四つ目の文が来る。「九月三日午後六時二十分、蓼科慎司を病院へ運べ」。七年前、亨の妹を轢いた男の名前だった。 現代SF×旧約聖書。全十八章・約九万八千字。
しゅう1作品を開く →小説 · 2026-09-06 火葬場で待つ犬
【短編小説/犯罪ミステリー】身寄りのない老人の火葬日、乾いた毛の犬が裏口へ現れる。赤い首輪の鍵が結ぶのは、数十年前の現金輸送車強盗と、老人が払い続けた動物病院の領収書。火葬技師の私は秘密を遺族へ返すべきか迷い、最後に鍵を自分の靴へ隠す。正しさより重いものを残す一日。
月瀬 灯作品を開く →小説 · 2026-09-06 午前四時の採用面接
【中編小説/密室心理サスペンス】深夜の研修施設へ集められた七人の最終候補者。午前四時、面接官は十年前の工場火災について一人ずつ質問を始める。通信は途絶え、履歴書の名前と記憶が食い違っていく。これは採用試験なのか、復讐なのか。夜明けまでに選ばれるのは社員ではなく、火災を語る役目だった。
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